ゴルフを終えて帰宅して、まだまだ明るい夏ともなれば、ちょっと一杯飲みに行きたくもなろうというもの。最近よく聞く「クラフトビール」が今の気分。専門店のオーナーに、「基本のキ」を教えてもらいました。

決まったメニューは存在しない。今日はなにが「つながってる」の?

普通の居酒屋では生ビールはほぼ、一種類。あっても黒ビールと普通の生ビールの二種類といったところだろう。しかしクラフトビールの専門店では大きく異なり、たとえば今回取材した東京・池袋のクラフトビール専門店「PUMPクラフトビアバー」では、常に複数の異なるビールを提供している。オーナーの飯島安博さんはこう語る。

「たとえばウチのお店では10TAP(タップ)と言って、ビールサーバーの注ぎ口が10個あります。10個のタップそれぞれに違うビールの樽がつながっていて、ひとつの樽が空いたら、別のビールの樽をつなぎます。今の季節なら、そうですね……一週間もあれば、すべてのビールが入れ替わっているでしょうね」

画像: 10個のタップ(注ぎ口)それぞれに、別のビールがつながれる

10個のタップ(注ぎ口)それぞれに、別のビールがつながれる

そう、取材するまで知らなかったのだが(お恥ずかしい)、クラフトビール店には決まったビールのメニューはなく、来店するタイミングによって飲めるビールが変わるのだという。常連のビール好きは、お店のフェイスブックページをこまめにチェックし、気になるビールが「つながっている」日にはすかさず来店したりするのだという。ゴルフでは一生に同じショットは二度とないなんて言うが、ちょっとそれに通じる一期一会感。嫌いじゃないぞ、そういうの!

左から右にいくほど、濃い味わいになっていく

「このタップの裏は、倉庫型の冷蔵庫になっていて、10個の樽と、それがなくなった場合につなぐ樽が冷やされています。ちなみに一番左のタップがメニュー表の『1』で、一番右のタップが『10』なのですが、1から10に数字が大きくなるほど、基本的に濃い味のビールを“つないで”います」

画像: 10個のタップとメニュー表の数字がリンクしている。左から右にいくほど味濃い目

10個のタップとメニュー表の数字がリンクしている。左から右にいくほど味濃い目

さて、そろそろビールが飲みたくなってきた。すでに軽めのピルスナー、苦味の強いIPAと2杯のビールを飲んできたので、そろそろ味濃いめのビールを飲んでみたい。飯島オーナー、おすすめはなんでしょうか?

「“一杯目”がメニュー表の『 2』、“二杯目”が『8』でしたから、次は『9』でいきましょう。W-IPAといって、通常のIPAよりさらに苦いビール。今日はプラザポートブリュワリーの、KOOKというビールがつながっています」

三杯目。プラザポートブリュワリーの「KOOK」

画像: 炭酸を楽しむ背の高いグラスではなく、ブランデーグラスタイプでじっくり味わいたい

炭酸を楽しむ背の高いグラスではなく、ブランデーグラスタイプでじっくり味わいたい

早速飲んでみると、W-IPAというだけあってたしかに苦い。しかし、同時にとっても爽やかで、この爽やかさはまさしく柑橘系。苦くて爽やかな柑橘系……そうだ、グレープフルーツだ! たしかに、一杯目で飲むには苦味が強い気もするが、二杯目、三杯目にゆっくり味わうにはピッタリの味わい。なるほど、飲む「順序」も味のうちなんだなあ。

なんだか、クラフトビールのディープな世界に、気がつけば足首くらいまで埋まってる気がしてきたぞ!(四杯目に続く)

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