まずはその様子を見てみよう

左手一本で素振りするデーリー。ここまではまあわかる

アドレスを決めて……

左手一本でストローク!

しかも「OK」に寄せちゃった!

ちなみに「返し」のパットは両手でグリップ
かつて、シーズンを「右手一本」だけで過ごしたプロがいた
と、本当に「片手パット」をしていたデーリー。スコアが悪くて投げやりになっている⁉︎ ということはなく、デーリーはこの試合を11位タイで終えており、これはデーリーのチャンピオンズにおけるベストフィニッシュだ。一体なんのためなんだ! わからないので、中井学プロに聞いてみた。
「昔、マイク・ハルバートというプロがいましてね。彼はあるシーズン、ほとんどのパットを“右手一本”で行いました。というのも、片手のほうが感覚が殺せる分だけタッチが出しやすいってことが、プロの場合はあるんです。どうしても振り子の動きしかできないですから、ストロークから繊細さがなくなり、同時に悪い動きも排除されるというわけです」
そう語る中井プロ。うーん、プロレベルの話は奥が深い。
「デーリーはショートパットは両手でグリップしているとのことですが、ショートパットで重要なのはタッチではなくフェース面を固定すること。そのためには、両手でしっかりとグリップしたほうがいいからでしょう。反対に、ロングパットで距離感が出せないときに片手でパットをすることは、僕でもありえますね」
ロングパットはよく「ボールを目標に投げるように打て」なんて言われる。でも、考えてみるとボールを両手で投げてタッチは出ない。あくまで片手で放るからこそ、ターゲットに寄せられるというもの。そう考えると「片手一本パター」もアリな気がしてくるぞ!
「ただし、当然ながら普段から練習しているからこそできることです。そこは、お忘れなく」
うん、そりゃそうだ。ロングパットの秘密兵器「左手一本打ち」。それを“仕込む”ためにも、普段からプロがよくやる左手一本練習をしておくのがいいのかも。
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