仕事は「最初の2日間」で8割終わらせる。
(前略)徹夜はするべきではありません。ですが例外があります。それは仕事がノッているときです。じつは私は、仕事を始める最初の2日間のうちに徹夜をすることがあります。
(中略)
とにかく最初の2日間に8割終わらせることを目標にロケットスタートを切ります。
(中略)
8割終わらせることができれば、締め切りまでにはほぼ確実に終わるはずです。つまり言ってしまえば8割終われば仕事は終わったようなものです。
と、著者は言う。反対に、締め切りに追われてやむなく徹夜するような仕事の仕方を「ラストスパート志向」と呼び、非効率的であるとしている。そこで思い出した話がある。ある著名なクラブ設計家に買い替えの時期について聞いた、その答えだ。
クラブは調子のいい時にこそ、買い換えよう。
答えはこうだった。「それはゴルフの調子がよい時ですよ」。「えっ?」と思った。調子がよいのなら、クラブを替える必要はないのでは 調子が悪いから替えるのでは?
「そうしたら、どんどん悪い調子、悪いスウィングに合ったクラブに替えていくことになりますよ」
そう、調子がよくて、次の目標がはっきりしているときこそが、クラブ買い替えのベストタイミングだったのだ。調子がよければ、そのクラブの特徴もつかみやすいし、一歩上にレベルアップできる前向きの買い替えが可能になる。調子が悪くなってからクラブを替える「ラストスパート型」では、クラブ選びに余計な時間がかかってしまうだろう。
また、こんな話もある。
試打は、1球目の結果を大事にしよう。
「試打は1球目の結果を大事にしてくださいね」。これもその設計家の言葉だ。人間の体には、優れた順応性があるために、ボールを何球か打っていると、そのクラブにスウィングをアジャストし出す。最初に手にして打った結果が、実は、本来の自分のスウィングとの相性を明確に示している。
クラブは調子のいいときに替える。試打は1球目の結果を大事にする。そして仕事は最初の2日間で8割終わらせる。その道の達人たちの言葉は、いつも僕らの胸に突き刺さるものである。