トカラ列島、それは屋久島の南、奄美大島の北。
トカラ列島とは、屋久島の南、奄美大島の北に位置する群島。行政区分は「鹿児島県十島村」となる。鹿児島から、もしくは奄美大島からフェリー(またはヘリ)でしか行かれないというまさしく秘境中の秘境。「オーイ! とんぼ」はこのトカラ列島の「火之島」という架空の島が舞台。そのモデルとなった「中之島」の様子を写真で眺めてみよう。
そこは、クルマをロックしない島
トカラ列島・中之島には、自家用車にカギをかける習慣が基本的にない。島民同士は顔見知りな上、もし仮に盗もうとしても、クルマを島外に持ち出す手段はない。大らかで開放的だが、どこか閉鎖性もある。それが離島の暮らし。「とんぼ」、その環境下で天真爛漫に育つ。
信号なし。コンビニなし。入浴は、共同浴場で。
内風呂も最近までない家がほとんどだったというから驚き。基本的には、島に二カ所ある共同浴場を利用する。堤防のすぐそばで半地下のような形になっているのは、毎年のように直撃する台風の被害を最小限に食い止めるため。島には信号もないし(アスファルト舗装された道路もない)、コンビニや飲み屋も一軒もない。島を訪ねるのは、ダイビングや釣り、バードウォッチングなど専門的な趣味の持ち主がほとんど。
ここは本当に日本なのか……。秘境マニアよ、今すぐ向かおう!
ゴルフ場は本当にあるのか――!?
「オーイ! とんぼ」の世界では、火之島の住民たちは手造りのコースでゴルフを楽しんでいる。では、火之島のモデルとなった中之島にはゴルフ場があるのだろうか?
結論をいえば、現実世界のトカラ列島にゴルフ場は存在しない。ただし、「もしここにゴルフ場があったら、どれだけ面白いコースになるだろう」と予感させてくれる風景は、たしかに存在する。秘境の島にもしゴルフ場があったら。そこにもし天才少女がいたら。ふたつの「if」の面白さが、「オーイ! とんぼ」の面白さなのだ。
「オーイ! とんぼ」の舞台(のモデル)であるトカラ列島・中之島。そこには残念ながらゴルフ場は存在しない。しかし、そこはたしかに外界から隔絶されて、通りの向こうから「とんぼ」がふらっと歩いてきそうな秘境中の秘境であった。いつもの温泉地やら観光地に飽きたという人、思い切って「とんぼ」の舞台を旅しに、秘境の島を訪ねてみてはいかがだろうか。