いよいよGW本番。今年は3連休で、遠くまで出かけられないという人も多いかもしれない。そういう人におすすめなのが、「読む旅」だ。読めば旅した気分になる。読めば旅に出たくなる。そんな本を7冊、TUG編集部が厳選してみた。

文豪、南米を釣り上げる「オーパ!」

文豪・開高健が南米ブラジルはアマゾン川に魚を釣りにいく。たったそれだけのことなのにちょっと異様に面白い。ただの旅行記ではなく、これはいわば探検記。日本にいながらにして、アマゾンの濁流の中で巨大魚とファイトしている気分にさせてくれる一冊だ。高橋昇による写真も圧倒的。

村上春樹の名エッセイ「辺境・近境」

国内屈指のベストセラー作家であり、現在もっともノーベル文学賞に近い日本人作家・村上春樹。海外生活の長い作家の旅行記は、まるで暮らすが如くの自然体目線。それでいて、何気ない風景も凄く特別に感じさせる筆致はさすが。その土地の空気が頬を撫でるのを感じることができる一冊だ。

世界最高峰に挑む男の肖像「神々の山嶺」

ここまでは旅行記を紹介してきたが、これは小説。世界最高峰のエベレストの頂に魅せられたひとりの男の凄まじいまでの執念と、エベレストにまつわる謎を描き、今春映画化もされた名作だ。人生で一度はエベレストを見てみたい! そう強烈に思わされる一冊だ。

イタリアに伊達男修行に出たくなる。「イタリアからの手紙」

古代ローマの勃興から終焉までを書き尽くした「ローマ人の物語」で名高い作家の軽妙洒脱なエッセー。イタリアに居を構え、かの国を書き続ける作家の目線は常にシャープで、時にチャーミング。イタリアに行った気分にさせてくれる、冷えた白ワイン片手に読みたい一冊だ。

元祖“乗り鉄”ここにあり。「第一阿房列車」

内田百閒は夏目漱石門下の作家。その作風は幻想的かつどこかユーモラスで、とくにエッセーは今読んでもクスッと笑えるおかしみに満ちている。鉄道旅行をこよなく愛した百閒の「なんにも用事がないけれど、汽車に乗つて大阪へ行つて来ようと思ふ」ではじまる名著。今読んでも最高ですよ。

定番中の定番。「深夜特急」

数え切れないほどの若者を、バックパックを背負った貧乏旅行者としてアジア各地に送り込んだ魔性の本。陸路でユーラシア大陸を横断し、ロンドンを目指す。その旅路は刺激的の一言だ。とくにこの一巻はめちゃくちゃ面白いので、一巻だけでも読む価値がある。

ゴルファーは書斎にいても旅できる。『わが心のホームコース』

最後にゴルファー向けのとっておきをご紹介。夏坂健は、徹底的な取材・文献収集によってゴルフの魅力を書き続けた作家。独特の文体で語られる古今東西のゴルフにまつわるエピソードはそのどれもがゴルフの奥深さを教えてくれる珠玉のエッセイとなっている。読むことで、ゴルフの歴史を旅することができる一冊だ。

本を読むだけで、人は時代を超えて、世界を旅できるのだ。

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