全米アマ3連覇<タイガーズトリプル>がプロ転向を決意させた
タイガーの全米アマ3連覇の中継の視聴率は、同週に放映されたPGAツアーイベントの倍だったという。ボビー・ジョーンズも、ジャック・ニクラスも成し遂げたことのないこの偉業をひっさげて、タイガーはプロ入りを決意する。
「プロ1打目」の336ヤードショットでいきなり度肝を抜いた
最初のハーフでドライバーを使ったのは3ホール。そのすべてで300ヤードを超えた。ボールやクラブの性能が今ほど進化していない20年前、これは驚異的な飛距離だった。フレッド・ファンクは、「俺は毎回100ヤード置いて行かれるだろう」と語ったという。
3番ホールでプロ初バーディ。4番でも続けてバーディ。6番ホールでプロ初イーグル。6ホールを終えて4アンダーとスコアを伸ばし、フロントナインを終える。バックナインはパーを並べ、17番でプロ初ボギー。18番をバーディでまとめ、初日は「67」だった。
デビュー戦でいきなりホールインワン
2日目「69」、3日目「73」と、スコアを伸ばしきれず、優勝争いに絡めないタイガーだったが、ドラマは最終日の14番ホールで起きた。202ヤードのパー3を6番アイアンで打った一打がカップイン。いきなりホールインワンを達成したのだ。
結局タイガーは最終日を68でまとめ、順位は60位タイ。賞金2544ドルを稼いで、デビュー戦を終えた。タイガーはプロの壁にぶつかったのだろうか? 答えはNOだ。タイガーは次の試合で11位タイに入ると、その後2勝を含む5試合連続トップファイブ入りを達成する。翌1997年には21歳でマスターズを制し、その年の賞金王にも史上最年少で輝いている。以降の活躍は、広くゴルファーの知るところだ。
どんな人物にも「はじめて」がある。タイガー・ウッズのデビュー戦、それはゴルフの歴史が20世紀から21世紀にかけて大きなうねりとなって動き出す、その最初の1コマだったのかもしれない。
※2016年8月30日12時15分一部修正しました