初日「58」、4日間「250」の超絶スコアはこの古びたアンサーが生んだ
時は1966年、極めて革新的なパターが発売された。その名は「アンサー」。トウとヒールにウェートを配置した形状は圧倒的にミスヒットに強く、同時に洗練されたデザインで操作性も損なわれていなかったことから爆発的にヒット。それから50年、「アンサー」の形状はほとんど変わることなく現代でも多くのゴルファーに愛され続けている。
ただ、タイガーやマキロイ、スピースや松山英樹が愛用しているのはあくまで「アンサー型パター」でありピンの「アンサー」そのものではない。そんな中、正真正銘の「アンサー」、それも約半世紀前のアンサーを手にツアー史上最少スコアをたたき出した男が現れたのは既報の通り。
初日「58」、4日間トータル「250」というスコアも凄いが、それをたたき出したのがまったく無名のプロで、なおかつその手に握られていたのがその週に友人のクローゼットの中で見つけたものを手にした約50年前のアンサーだったからなおさら盛り上がっている、というのが現在の状況。
このパター、日本で買ったら10万円?
では改めてパターをじっくり見てみよう。ピンのツイッターによれば「約50年前の“デールヘッド”」とある。ギアに詳しいライターの児山和宏氏はこう言う。
「1966年から翌1967年にかけて製造されたアンサーを、“スコッツデール”と呼びます。それは当時ピン社がアリゾナ州のスコッツデールにあり、パターのバックフェースにもスコッツデールという文字が刻まれていたからなのですが、それ以降、1970年代初頭までに売られたアンサーのことを“デールヘッド”と言うのです。マニアの間では人気のあるモデルなんですよ」
アンサーパターにはマニアが多く、古く希少価値のあるものは高値で売買される場合もあるのだ。児山氏によれば、今回のパターも「状態次第では、10万円前後で取り引きされる可能性がある」という。棚からぼた餅ならぬ、クローゼットからアンサーで達成された歴史的偉業にあやかって、古いアンサーを探してみるのも一興かも?