二杯目にオススメのクラフトビール、それが「IPA」
日本の大手ビールは、その多くがピルスナーと呼ばれるさわやかなのどごしが特徴のタイプ。それに対してクラフトビールの専門店では、多彩な味わいを楽しめる。東京・池袋のクラフトビール専門店「PUMPクラフトビアバー」オーナーの飯島安博さんはこう語る。
「オススメは、軽くてさわやかなフルーツビールやピルスナーなどのビールから、徐々に苦味や味わいが深いビールへと移っていく飲み方です。一杯目にはピルスナーを飲んだなら、二杯目は“IPA”なんかがオススメですね」
うん、なるほど。でもIPAって、なんだろう?
改めて思い知る。ビールは「苦い」。だから、うまい。
「IPAとは、インディアペールエールの略称です。インドがイギリスの植民地だった時代、イギリスからインドにエールビールを送るとビールが腐ってしまったらしいんです。そこで、殺菌効果の高いホップを大量に入れたのがインディアペールエールの起源。ホップを大量投入することによる苦味と、ホップの香りを楽しむビールです」(飯島オーナー)
飯島オーナーが出してくれたのが、アメリカの醸造所、scuttlebuttBrewingの「ゲールフォースIPA」。飲んでみると、たしかに苦い! ゲールフォースとは「激しく」と言った意味なので、IPAの中でも苦味の強いもののようだ。ただしもちろん苦いだけでなく、麦茶のような香ばしさや、スパイシーで刺激的な旨みがある。飲めば飲むほどクセになりそうな味わいだ。
思えば初めて飲んだビールの味は「苦い」の一言であった。知らない間にその苦味が好きになっている。このビールを飲んで改めて思い知らされる。そう、「ビールは苦い」。そして、苦いからこそ旨いのだ。
「このビールは、焙燥(ばいそう)と言って、低い温度で大麦を乾燥させています。それにより、色合いが濃くなり、香ばしさが増すんですね」(飯島オーナー)
ひとつ間違いなく言えることがある。こんなビールは飲んだことがないということだ。それくらい個性的! ほかにもどんなビールがあるのか、俄然気になってきたぞ! (続く)