ビリー・ハーリー三世をご存知だろうか。知らない、もしくはつい最近知ったという人がほとんどだろう。2016年6月27日に幕を閉じたPGAツアー「クイッケンローンズ・ナショナル」のチャンピオンだ。どんな選手か調べてみたら、人生の「荒波」をくぐり抜けてきた、たくましい男でした。
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まずは勝利が劇的だ。世界ランクは607位。フェデックスランキングは198位。まったくの無名選手と言っていい。それが、15番ではグリーン手前からチップインバーディ、16番では約8メートルのロングパットを沈めて、初優勝。これにより彼はシード権はもちろん、全英オープンの出場権も手にすることになる(妹の結婚式と日程が“かぶった”らしい。そこからも、予期せぬ勝利であったことがうかがい知れる)。アーニー・エルスやビジェイ・シンといったレジェンド、デビュー戦で勢いに乗る、ジョン・ラームらを退けての、それは勝利であった。

海軍兵学校出身。スエズ運河で操船を学んだ

ハーリーはクイッケンローンズ・ナショナルが開催されたメリーランド州のクイッケンローンズ・ナショナルの近くで育ち、そのまま地元の海軍兵学校に進み、アメリカ海軍の軍人として5年間、スエズ運河で操船を学んだという、いわば「地元の英雄」だ。

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勝利の10カ月前に、父が拳銃自殺

ハーリーが悲劇に見舞われるのは10カ月前のこと。警察官であった父が拳銃自殺を遂げた。それから一年に満たない今回の勝利は、文字どおりこの「海の男」の人生を変えてしまう予感に満ちている。おめでとう、ハーリー!

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