ブリヂストンゴルフのニューモデル、「ツアーB XD」が発表された。さてさてどんなクラブなのか、早速打ってみた!

丸型のXD-3。シャローなXD-5。洋梨型のXD-7。みっつ揃ってXD三兄弟

ブリヂストンといえば長らく「ツアーステージ」ブランドでおなじみだった。日本ツアーを中心にプロたちが使い、ツアーステージといえばアスリートゴルファー、というイメージを持っていたゴルファーも多かった。

そして、現在のブリヂストンゴルフにおけるアスリートゴルファー向けブランドとして位置付けられるのが、今回ニューモデルが発表となった「ツアーB」ブランドだ。

左からXD-3、XD-5、XD-7。人それぞれ好みは違うだろうが、どれも「いい顔」だ

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丸型というかゲンコツ型というか、非常にオーソドックスな形状なのがXD-3。それに対してXD-7はスラッと面長の、いわゆる洋梨型の形状。XD-5は投影面積が大きい、XD−3のヘッドを後ろに少し引っ張って伸ばしたようなカタチをしている。シャロー(薄い)フェースに見えて、ボールが上げやすそうな印象だが、果たしてどうか。

くるっと回ってボールがつかまる。XD-3

まず打ってみたのは「ツアーB XD-3」。これがかなりの好印象だった。まず、抜群に構えやすい。そしてXD三兄弟の中でもっとも重心距離(シャフト軸線からフェース面上の重心までの距離)が短いらしく、その分だけフェースがターンしやすい。フェースがターンしやすいということはボールがつかまりやすい(スライスしにくい)ということだ。

特筆すべきはスピン量の少なさ。ボールが上ではなく、前へ前へと進んでいく。それには、フェース面上のミーリング(フェース面上を細かく切削する加工)が大きく寄与しているらしい。

フェース面の摩擦を増やすとスピンが減る⁉︎

ウェッジではフェース面の摩擦が増えるとスピンが増えるが、ドライバーの場合フェース面の摩擦が増えるとかえってスピンが減る。その謎を、ブリヂストンの「本体」であるタイヤの技術者が科学的に調べ上げ、スピンを減らすにはミーリング加工を施すのがベストいう結論に至ったのだという。

タイヤの技術者は路面とタイヤの接地面に対するこだわりが半端ではない。彼らがゴルフクラブの開発に関わって、まずこだわったのが「フェースとボールの接触面」を可視化することだったというから面白い。いずれにせよ、その効果なのかどうなのか、ともかく打った印象としてもスピンの少なさを感じた。

当たった向きに真っすぐ飛ぶ。XD-5

XD三兄弟の中でもっとも重心距離が長いのが、このXD-5。それじゃあつかまらないのかといえばさにあらずで、重心角がもっとも大きいのがこのクラブとなる。重心角は重心距離と並んでつかまりを左右する大きな要素だ。

開発意図として、このクラブはフェースローテーションをあまり使わないゴルファーに向けられているという。イメージとしては、XD-3がフェースを返してつかまったドローが打てるクラブだとしたら、XD-5はフェースの向いた方向に真っすぐ飛ぶクラブという印象。弾道は高め。

「左にいかない」ドライバー。XD-7

もっとも重心角が小さいXD-7。洋梨型の面長ヘッドで、いわゆるひとつの「左にいかない」ドライバー。あなたがもしスライサーならば、このモデルは選ばないほうが無難だ。左にいかないことがメリットとなる上級者限定の、純・アスリートモデルという印象である。

シャフトは純正のほか、上からスピーダー661エボリューションⅢ、ディアマナBF、アッタスパンチ、ツアーAD TPをラインナップ(ただしアッタスパンチはカタログには載っていなかったが)。

タイヤ作りの技術力をクラブ作りにも持ち込んだ「科学のドライバー」。発売は2016年10月21日予定で、価格は1本7万2000円+税から。