100年を超す歴史を持つ日本のゴルフ。その歴史を刻んできた名コースを紹介するシリーズの第三回目は、日本人による日本人のための最初のゴルフ場「東京GC」をご紹介しよう。
外国人たちが、自分たちの楽しみのためにコースを作ったのが日本におけるゴルフのはじまり。それに対して、日本人のために日本人が造った初めてのゴルフ場が1913年開場の「東京GC」。
現在の駒沢公園は、かつてゴルフ場だった
当時の駒沢は、明治天皇がウサギ狩りに行幸されたという原野でした。コースは現在の駒沢オリンピック公園の場所辺りにあり、公園の入口付近には大正博覧会の迎賓館を譲り受けたクラブハウスがありました。
二度の移転を経て現在の姿に
駒沢コースは1928年6400ヤードの本格派コースに改造が行われますが、1932年に埼玉県膝折村(現朝霞市)に、C・H・アンソン設計の朝霞コースが開場し、駒沢は閉鎖されました。
朝霞コースは、日本で初めてグリーン、フェアウェイ、ラフすべてにベント芝を採用した点で歴史的な存在でしたが、1940年に陸軍省に接収されてしまいます。幸い、秩父CCの新コースが会員の大谷光明氏設計だったのを機縁に、秩父CCと合併。狭山の地に二度目の移転を果たします。
しかしながら苦難の歴史は続き、終戦後の1946年4月に米軍に接収されてしまい、倶楽部が自習運営を取り戻すのは1953年の事だったそうです。こうして、日本人のための初めてのコースは、今も埼玉・狭山に「東京」の名を冠して、存在し続けているのでした。
ゴルファーならば知っておきたい、日本のコースの歴史
日本には長い歴史を持つ美しいゴルフコースがたくさんある。ゴルフコースを知ることは、ゴルフの歴史を知ること。そして、まだ見ぬコースに思いを馳せるのも、ゴルフの楽しみのひとつなのだ。