ヤマハの「インプレスRMX UD+2アイアン」といえば、2016年のアイアン・オブ・ザ・イヤーを受賞したぶっ飛びアイアンの代名詞的存在。その名器に仲間が増えて「インプレスUD+2」シリーズとしてフルラインナップ化。ゴルフクラブ市場の台風の目となるか⁉︎

前作は「+2番手の飛び」で話題になった

5番で22度。これがインプレスUT+2のアイアンのロフトだ。数字を言われてもピンとこないかもしれないが、これは一般的には(プロモデルなどの基準で言うと)4番アイアン、いや3番アイアンといったほうがいいかもしれない。UD+2はその名の通り、ロフトの数字からして「2番手違う」というわけだ。

もちろん、ただロフトを立てただけではボールが十分に上がらず、使えるクラブとはならない。ロフトを立てながら打ちやすく、しっかりとボールを上げることができて飛距離が出せたのが前作「インプレスRMX UD+2アイアン」のストロングポイントであった。

こちらが前作、アイアン・オブ・ザ・イヤーを受賞したインプレスRMX UD+2。ぶっ飛びアイアンの代名詞的存在となった

このアイアン、今回も思いっ切り飛びそうだ

このぶっ飛びアイアンをリニューアルし、さらにそのテクノロジーをドライバーやフェアウェイウッド、ユーティリティにまで広げたのが、今回のインプレスUD+2のラインナップ。超低重心、超深重心でボールの上げやすさとつかまりを確保しつつ、反発力が高く、ロフトの立ったフェースで飛ばす。これがインプレスUD+2の基本的な設計思想で、これはアイアン以外のクラブにも適用されているようだ。

同社のRMXシリーズと、今回のインプレスUD+2のロフトを比較したのが下の表組。長い番手はロフトを立て過ぎるとボールが上がりにくくなりがち。そのため、ウッド類のロフトはRMXとインプレスUD+2で数字は大きくは変わらない。短い番手になるほどインプレスUD+2のほうがロフトが立ち気味になる傾向が見られる。パー3で短い番手をもてる可能性が増える。これはゴルファーにとって大きな魅力といえそうだ。

作成:サムズアップゴルフ編集部

7番アイアンを上から見た図。いわゆる「顔」。いかにも飛びそうな面構えだ

アイアンの場合、さらにすべての番手で1インチ「長い」。クラブが長いとヘッドスピードも上がるので、これも飛距離アップに貢献している。

ウッドは徹底的に低&深重心化。つかまりで飛ばす⁉︎

気になるのは、ドライバーを筆頭としたウッド類でどう「+2番手」を実現しているのかということだ。ドライバーはもとより、フェアウェイウッド、ユーティリティに関しても、ロフトの数字はほぼ同じ。長さもUD+2のほうがわずかに長いが、アイアンのように1インチも長いことはない。

そうなると、ポイントは重心設計となる。フェース面の反発性能を高め、徹底的な低重心化・深重心化を施すことでボールの上がりやすさを高め、同時に低スピン化しているというのがウッド類に共通した飛ばしのポイントのようだ。

インプレスUD+2ドライバー。ドライバーでも「+2番手」は実現するか

ドライバーの「顔」(写真提供:ヤマハ

気になるのはつかまりの部分だが、ドライバーのターンしやすさ(=つかまりの良さ)に大きく影響する重心角度は34度と、非常につかまりがいいことを予想される破格の数字となっている。使用者がスライサーの場合、このつかまりによって2番手分前に飛ぶ可能性は十分にありそうだ。

発売は2016年9月16日。早く試したいクラブが、またひとつ増えた。

ドライバー:8万円(税別)
フェアウェイウッド:4万6000円(税別)※3番ウッドは5万2000円
ユーティリティ:3万8000円(税別)
アイアン:4本セット(#7〜PW)9万6000 円(税別)