答えは、金。
とかく価値のあるものは、この「金」を使って表現されることが多いが、ゴルフ、とくに１００Y以内のアプローチにおいては、「金の距離（ゴールデンディスタンス）」を知ることが大切なのだと、石井忍プロは言う。
なにも考えずに振ったとき、何ヤード飛びますか？
ゴールデンディスタンスというのは、自分が気持ちよく振ったときの距離のこと。ウェッジを持ったら、狙い所も決めず、振り幅も考えず、自分が気持ちよく感じるスピードと強さ（フルショットではなく、小さなスウィング）で10球ほど打ってみる。すると、大きなミスショットを除けば、だいたい同じくらいの地点にボールが集まるはず。そこまでの距離こそが、あなたのゴールデンディスタンスだ。
宮里藍の基本は、父から教わった30ヤードスウィング。これもゴールデンディスタンスの一種だろう（写真はプロ入り直後の2003年、まだ幼さが残る藍ちゃん）
宮里藍の基本は、父から教わった30ヤードスウィング。これもゴールデンディスタンスの一種だろう（写真はプロ入り直後の2003年、まだ幼さが残る藍ちゃん）
実践では、意識的にゴールデンディスタンスを「残す」
これがわかったらしめたもの。実戦のなかでこの距離が残れば自信を持って打てるし、刻むときには意識的にこの距離を残すことでピンにからめることもできる。また、グリーン手前の池につかまったときも、この距離が残るようにドロップすれば、見事なリカバリーを披露できるかもしれないからだ。
たとえバンカー越えだって、それがゴールデンディスタンスなら自信を持って打っていける。ちなみに石井プロのゴールデンディスタンスは70ヤードだそうな
さらに、ゴールデンディスタンスを基準にして、「ちょっと強め（＋10Y）」と「ちょっと弱め（－10Y）」を練習しておけば、自信を持って打てる距離の幅は広がり、スコアはどんどんまとまってくるというわけ。
１００Y以内のアプローチはスコアの要。金の距離を磨けば、この夏のコンペは金メダル間違いなしだ。