映画もただいま公開中

「僕だけがいない街」という作品をご存じだろうか? 3月19日公開の映画版が話題となったので、「聞いたことある!」という人も多いかもしれない。藤原竜也と有村架純が共演し、鑑賞した人からは「とにかく石田ゆり子が美しすぎる」という声も多く聴かれた見ごたえのある映画だったが、つい先日完結したその原作コミックスもあなどれない作品なのでご紹介。

その内容は、カンタンに言えば「タイムスリップミステリー」。過去に戻る特殊能力を持つ主人公が、自身も関わることになる「ある事件」を、過去と現在を行き来しながら解決を目指すというストーリーだ。荒唐無稽な設定ながら、大人の読者が楽しめる、骨太な内容となっている。

最終8巻が発売されたばかりだ。「僕だけがいない街」三部けい(角川書店)

映画と漫画で結末が異なる!

主人公が手がかりを探しながら犯人に迫っていく。これはミステリーの王道だが、本作が面白いのは、主人公が実際に過去に戻って手がかりや証拠を探していくという点だ。過去に戻るといっても、肉体はあくまで子ども。頭脳は大人、カラダは子どもというギャップがまた面白い。設定は荒唐無稽だが、犯人へ至る道筋は理詰めで導かれるので、一種の知能ゲームとしても楽しめる。

この「僕だけがいない街」実は映画と漫画では「結末」が異なる。映画と原作、両方に触れると相乗効果でより楽しめることは必定。空き時間に漫画でも読もうかな、と思ったら、自信を持ってオススメできる一冊だ。